CITRUS SUN @ Blue Note Tokyo

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友達がチケットを取ってくれたので、行ってきましたBlue Note Tokyo。 私ここ大好きなんです。南青山という場所も好きだし、無駄な空間があちこちにある建物のレイアウトも外国みたいで好き。

Citrus Sunという英国のバンドは、全然知りませんでした。 インコグニートのリーダー、ブルーイが持っている別のバンド、らしいです。でもインコグニートも「名前は聞いたことあるなあ」くらいの知識の私なので^^; ジャンルはファンクというかビート感のあるジャズというか、と思って調べたら、アシッド・ジャズという言葉があるそうな。たぶん、音的には新しいものを目指しているわけじゃなくて、昔の古き佳きサウンドを洗練させるという方向性なのかなと思いました。 だから私のような年代向けなんでしょうね^^; 歌ものは少なくて、インストが大半だったんですが、何曲か歌もあって、「What colour is love?」はとてもステキだった。ヴォーカルのイマーニーという女性のハスキーな声がメロウな曲調にぴったり。ハスキーというか、ハスキーというには伸びがあるので、ベルベットボイスという方がいいのかな。黒人シンガーにはよく見かけますが、日本人でこういう声の人あまり思い浮かばない。昔の八代亜紀とかかしら。

その、バンドのプロデューサーであるブルーイは自分でもプレイしてて、たぶんすごい人なんだと思うのですが、ちっともエラそうなところがないんです。バンドのギタリストであるジム・マレンは、英国でベスト・ギタリストに選ばれるような大物なんだそうですが、ブルーイの彼に対するリスペクトが純粋で、

「14才の頃、ジムのギターが聞きたくて彼が弾いてる店に行ったんだ、でも僕は子供だから入れてもらえなくて、窓の外からわずかな隙間を通して彼のギターを必死で聴いたんだ」

とか、映画になりそうなエピソードをさらっと紹介したり、

「僕らはたまたま運がよくて、タイミングのいい時期に出会うべき人と出会えたから、こうやって楽器と共に過ごす人生を送れている。世界には僕たちよりずっと腕がいいのに、僕らほどラッキーではないミュージシャンがたくさんいるんだ」

とか、こんなMC聞いたら泣いちゃうわ。大好きになりました。 公演を聴いてCDを買うことなんてめったにないけど、今回は買ってしまった。 ブルーイ自らサインもしてくれて、サービス満点。写真も撮ってくれそうだったけど、なんか恥ずかしかったので遠慮した。今日の今日まで全然知らなかったのに、急にファンみたいに振舞うのもどうかと。^^; でも握手してくれた手はとっても分厚くてあたたかだった。イメージぴったり。

ブルーイもジム・マレンも、その道では超有名人なのに、演奏しているときは、音楽に触れたばかりの高校生のような、音に対するピュアな喜びみたいなものがステージにあふれていて、見ているこちらの疲れやストレスも一気に押し流されるようでした。それだけ長くやってきて、いまだにそんな楽しそうな、嬉しそうな顔ができるものかなと、不思議に思うくらい。 そんな期待全然してなかったけど、すっかり幸せな気分で帰途につきました。ありふれた言い方だけど、音楽の力ってすごい。

PEOPLE OF TOMORROW

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