『紅の豚』

紅の豚 [DVD]

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こないだTVでやってて、夫がコッソリ録画していたのですが ジブリ嫌いの私の前では遠慮して再生しません^^; ごめん。そこまで気を遣ってくれなくてもいいんだけど。 でも、自分がワクワクしながら見たいのに、しらっとしてる人間が そばにいちゃ興ざめかな。

ポルコの設定がおもんないんですよ。 豚ならもっとミジメにしないと。 ありゃ、見かけがブタってだけで中身は普通のイケメンじゃないですか。 いまどき、見かけがイマイチってだけでその人を全否定するような世界ないですよ。

フィオなりジーナなりが、ポルコ、いい人だけど、やっぱりちょっと体臭がね、と陰でコッソリ言ってるとか、あるいはどんなに上品に食事しようとしてもつい鼻がブヒって言っちゃうとか、もっとミジメな要素がないと。 そういうミジメさの上に、ひとたび操縦桿を握ったら目を疑うほどの鮮やかな飛行艇乗りだというのがあるから輝くのであって、あれじゃあ、予定調和の域を出ない。 まして声が森山周一郎ですよ。まるっきりブサメンにする気なしでしょう。

でもね、まぁ、分かってるんだ。そんな行き場の無いミジメさを、ジブリは扱えない。 愛と夢と勇気と冒険がテーマですからね。悪人だって根っこは善良で、最後は皆で笑ってハッピーエンド。もしくは、一片の救いもない最低最悪のエンディングになるか。まったく違うようで、その二つの世界観は表裏一体で、どっちも子供っぽい。大人の世界っていうのはその間の、誰かが幸せになれば誰かが不幸になる、白にも黒にも一色には塗れない、微妙な色合いの空間にある。

なんかこれ見てると、飛行機マニアのおじさんの酔っぱらった話をえんえん聞かされてるような気になっちゃいます。