『愛を読むひと』

好みの映画だろうと思っていたが、やはりそうだった。笑
ケイト・ウィンスレットはいいなぁ。
喋り方まで変えてくる。

ハンナが最後の方で、机に本を積み上げた時点で、あ~やめようよ~やめようよ~とテレビに向かって連呼してたけど、ダメだった。^^;
それはとても無理のない結末ではあったけど、でも、なんとかして生きてほしかった。
私はどちらかといえば、彼女に近いから。

彼女は潔さのために、逃げないことを選んだのではない。
ただ、感覚がずれていただけだ。他の人達と。

その彼女の態度に眉をひそめるのか、共感するのかは、人によって全く違う。
どっちが正しいというものでもないだろう。

ただ私が思うのは、ハンナをワナにはめた元看守仲間達ほど、私は生き延びることに強くこだわれはしないだろう、だからハンナみたいに視点がずれたままで、次に打つべき手も考えることのないまま無期懲役とかくらってしまうのかも知れない、ということだ。

ハンナが年老いてから必死になって文字を覚えようとした場面は泣けた。
どんな人間にも必ず備わっているのだ。生命力というものが。

彼女を助けなかった主人公が、悪いことをしたとは言わない。
だけど、ハンナの遺言を聞かされてめそめそ泣く資格も、お前にはないだろう、と思った。
自分の意志でハンナを突き放したのだから。
その事実を抱えて生きていくしかないのだ。

考えれてみれば主人公が一番お気楽だな、全然傷ついてないし。