『グラン・トリノ』
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2009/09/16
- メディア: DVD
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最近映画を立て続けに見て、「ミルク」と「スラムドッグ・ミリオネア」と「グラン・トリノ」では、「グラン・トリノ」に一番感動しました。
一つだけ思うのは、これは老人が正義の味方に成り代わって街のゴロツキを成敗したというような話ではない、ってことです。
そんな、正義の味方をやれるような人間じゃないってことは、全編通してクドいほど描かれています。それに、不良グループだって最初からあんなに歪んでいた訳じゃないだろうってことは、少し考えればすぐに分かることです。
この映画は、そうじゃなく、1人の、別に人格者でもなんでもない、ごく普通の、人としての悩みと、病気に苛まれた人間が、どういう幕の引き方をするのかを描いた作品だと思います。彼の取った行動が社会的に、法律的に、正しかったかといえば、そうではないでしょう。
それでも、彼はそういうふうにしか生きて来られなかったのだし、その人生について正しかったか悪かったかを議論してもしかたない。彼自身は、自分の人生は間違っていたと思って、苦しんでいたと思います。それでも、最後は自分にふさわしい最後を選ぶことができたたし、おまけに1人の少年の未来まで救うことができた。
そのことが素晴らしいんだと思います。