サミュエル・ジョンソン

 …大体、この人の名前とサミュエル・L・ジャクソンがいつも一緒になっちゃう45ですが、サミュエル・ジョンソンはイギリスの文学者のほうです。

「ロンドンに飽きた人は、人生に飽きた人だ」

という、有名な警句を残しております。

私はロンドン住んでたし、好きなので、確かにロンドンはスポーツにしろ文化にしろ、人々を楽しませるものを幅広く持っていると実感するのですが、たぶん、それは何もロンドンに限ったことではないでしょう。大都会なら世界中どこでも、同じようなことが言えるはずだと思う。たとえば、

「パリに飽きた人は、人生に飽きた人だ」

じゃダメなのか。
スペインの都市なんかも、こういうセリフにおあつらえ向きな気がするぞ。

そこまで考えて、思いました。
パリじゃ駄目です。まして、ローマやマドリッドじゃ駄目です。

当たり前すぎるから。

やっぱり、敢えてそれを言うっていうのは、その前に逆説的な何かがあるんじゃないかな。
つまり、
「ロンドンなんか、退屈だよ」
っていう誰かがいてこそ、生まれる言葉だと思うのですよ。
サミュエルおじいちゃんはそれが気に入らなくて、おもむろに
「きみきみィ、分かってないねぇ…」
とか言い出した、という事なんじゃないだろうか?

だから、別の言い方をすれば、ロンドンを退屈だと感じる人は、常に一定数いる、ということなんだと思う。

きっと、ちょっとした悔し紛れに出てるんだよ。
そういうのをメンドクサイと思うか、かわいらしいと思うかは人それぞれで、私はかわいらしいと思ってしまう方。