『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』


 ダスティン・ホフマンナタリー・ポートマン出演のファンタジー映画。amazonでもYahoo!映画でも評価は低めです(笑
私は気に入りました。

この映画はきっと、「こんなおもちゃ屋さんあったらいいな☆」と観客(主に子供)に思わせることを意図しているのかなと思いますが、私がいいなと思ったのはダスティン・ホフマンの死に方でした。

あんな風に死んでみたいね。

「今日4時半くらいに行こうかな」
と気軽に決め、残される若い人に
「人生はチャンスだ。生かしなさい」
と激励の言葉をかける。

作品の中では象徴的な死に方をしますが、あれは現実世界で言ったら小春日和の昼下がりに縁側でロッキングチェアに揺られながら老衰死、みたいなものじゃないかな。痛みも、恐れもないままに。そのうち孫がぬいぐるみか何か持って呼びに来るんだよ、「おじーちゃん、遊ぼうよ。おじーちゃん?わー大変だ、おじいちゃんがぁ・・・」
以下略。

自分より若い世代は、いつでも私より不安が多い。
そして自分より上の世代に対しては、いつも追いつけない感でみたされる。
だから去りゆく者が残る者に何か希望を持たせる言葉を残すことは、とても幸せな贈り物だ。
「こんな世界しか残せなかったよ。ごめんね」
みたいな謝罪ではなく、
「こんな世界で生きてかなきゃならないなんて、大変だよね」
みたいな同情でもなく、
「この世界には、チャンスがあるんだよ」
という、希望と、励まし。
それが安易に響いてしまうかどうかは、その人のそれまでの生き方が決めるのだと思う。

ダスティン・ホフマンはとてもよかった。243歳って言われても、あぁそうかもね、と普通に納得させられたよ(笑)