『サプリ』おかざき真里

 

サプリ 8巻 (FEEL COMICS)

サプリ 8巻 (FEEL COMICS)

 

 8巻が重要な展開を含んでいるので、引用します。物語は10巻で簡潔です。

 おかざき真里さんは、ちょっと感性が違うなと思ってじっくり読んだことがなかった。画面に花や魚やリボンや水玉が必然性もよく分からないまま(作者的にはあるんだろうけど)に飛び散るさまが、華麗で妖艶で、さすが美大出という感じで、田舎のオタク少女だった私と本質的に相容れず。

でも、「サプリ」読んでみたら面白かった。

何より、ミナミのような「ほんとの意味で」強い女性が最後に幸せを手に入れられたラストシーンにほっとした。力をもらえた気がする。私もがんばろっと。

働く女子の大変さというのは、感性が違っても、土俵が違っても、共通する部分がある。おかざき真里のキャラクターが同じ職場になったら、プライベートでつるむことはないだろうけど、仕事は信頼して一緒にやれそうだと思う。

7巻まではタラタラ読んでいたんだけど、8巻でぎょっとした。それから最終巻までは一気に持っていかれた。独特のあの湿気というか生臭さというか、そういうものを感じさせるタッチと相まって、あの展開は心にささった。

ただほかの人の感想読んでると、みんな歯切れがわるいね。『働きマン』はいいけど、こっちは、みたいな。ちょっと分かる気もする。

なんか、読み手の気持ちの、変なとこを引き出してしまう作家さんなのかも知れない。